屋根の上のブルーシート〜大阪北部地震からいまだ復旧していない家屋多数

2018年(平成30年)6月18日に発生した大阪北部地震。この地震の後に西日本豪雨やら相次いで襲来した台風やらでも大きな被害が日本各地で発生したことからマスコミ報道の中心が移ってしまい、まだ3ヵ月しかたっていないのにすっかり日常の話題には上らなくなってしまっています。

大阪北部地震にて被災した屋根のブルーシート
長岡京市内にて、大阪北部地震にて被災した家屋に、3ヵ月たった今も応急のブルーシートが広げてある屋根。

しかし、実は3ヵ月たった今でも震源周辺の地域では、被災したままの住宅が多く見受けられます。一番目につきやすいのが、屋根にかけられたブルーシート。古い瓦屋根の破損に応急で対処したものが、今もそのままに修繕されていません。おそらく遠目には目につきにくい壁のヒビや崩落、室内のゆがみや基礎の亀裂、危険判定によってもはやこれまでと取り壊しを待つ建物など、本当にたくさんの建物が職人の到着を今か今かと待っている状態だと思います。

当店でもお盆を挟んだ前後、現地でなかなか瓦屋さんがつかまらなくて困っているという工務店さんから人づてに依頼があって、阪急茨木駅近辺の古いアパートの屋根の修繕に5日間ほど入りました。しかしこれも、どうしてもと知り合いから頼まれたため、本来地元の京都市左京区で予定されていた屋根工事を先送りして時間をひねり出したものです。つまり、どうあっても現在の建設業界は、圧倒的に人手不足なのです。

大阪北部地震にて崩壊した瓦屋根の棟
阪急茨木駅近辺のアパートの屋根。大阪北部地震にて崩壊した棟瓦がズレ落ち、その後の台風で瓦が浮き上がるというダブルパンチ。

平成時代の一時期「コンクリートから人へ」というかけ声の下に建設に関わる予算が大幅に減らされました。しかしそれがあまりに急激な変化だったために、多くのベテランの職人たちが廃業や転職によって大量にこの業界から出て行きました。腕があっても食べられないという状態は、若い人材がまったくこの業界に入ってこないという状況を作り上げてしまいました。その結果の圧倒的な職人不足は、今回のような自然災害からの復旧を望む普通の人々の、普通の暮らしを取り戻すという当たり前のささやかな夢を、見果てぬ夢へと変貌させてしまいました。

こんなことでは将来想定されている南海トラフの大地震が起こったら、一体どうなってしまうのか暗澹たる気持ちになってしまいます。

当店も全くの人手不足です。多くのお客さんに待っていただいている状況です。「それでもあんたにしてもらいたいんや」というありがたいお心に、いつまでも甘えるわけにも行きません。当店では、一緒にお客さんの笑顔を取り戻す仕事に取り組んでくれる仲間(屋根職人さん、アルバイト、協力業者さん)を募集しています。当店の求人情報はこちらのページにあります。短期でも、週に何日かでも、働き方はいろいろで相談に乗ります。経験者はもちろん優遇しますが、初心者・未経験の方も大歓迎。

職に就くと言うことについて、果たしてちゃんとやっていけるのか不安に思われる方もおられると思います。しかし当店には、1日だけとりあえず働いてみて、店の雰囲気や仕事の内容を感じてみて、良ければ正式に働くこともできるし合わなければ後腐れなく1日分のお金をもらってやめることもできる「1日体験制度」を設けています。お気軽にお申し込み下さい。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

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